歯ブラシだけでは不十分?歯と歯の間に残る汚れの正体とは
コラム
2026.9.2

毎日きちんと歯を磨いているのに、歯科医院で『磨き残しがありますね』と言われたことはありませんか?
「歯磨きは毎日しているし、自分ではきれいに磨けていると思うのに……」と感じる方も多いかもしれません。
実は、歯ブラシだけではどうしても毛先が届きにくい場所があります。
その代表が、歯と歯の間です。
歯の表面は歯ブラシで磨けても、歯と歯が接している部分や歯ぐきに近い部分には、プラーク(歯垢)が残ることがあります。
そこで役立つのが、デンタルフロスや歯間ブラシです。
今回は、
- なぜ歯ブラシだけでは不十分なのか
- フロスと歯間ブラシにはどのような違いがあるのか
- 自分に合った歯間ケアの選び方
についてご紹介します。
目次
1.歯ブラシだけでは落としにくい汚れがある?

「歯ブラシだけでは十分ではない」と聞くと、「では、普段の歯磨きには意味がないの?」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。
歯ブラシは、毎日のセルフケアの基本です。
歯の表面や歯ぐきとの境目など、さまざまな場所のプラークを取り除くために欠かせません。
一方で、歯ブラシの毛先が入りにくい場所が、歯と歯の間です。
歯と歯が接している部分や、歯ぐきに近い部分は、歯ブラシを丁寧に動かしても毛先が十分に届かないことがあります。
実際に、歯間部のプラークを対象とした研究では、歯ブラシによる清掃に加えて歯間清掃用具を使用することで、より多くのプラークが除去されたことが報告されています。
つまり、毎日の歯磨きで大切なのは、歯ブラシだけでお口全体をきれいにしようとすることではなく、歯ブラシが届きにくい場所を別の道具で補うことです。
「歯を磨く」から「お口の中を隅々まで清掃する」へ。
少し視点を変えるだけで、普段のセルフケアも変わってきます。
2.フロスと歯間ブラシの違いとは?
歯ブラシが届きにくい歯と歯の間を清掃する代表的な道具が、デンタルフロスと歯間ブラシです。

デンタルフロス
デンタルフロスは、細い糸を歯と歯の間に通して、歯ブラシでは届きにくい部分のプラークを取り除きます。
フロスには、
- 糸を指に巻いて使う「糸巻きタイプ」
- 持ち手が付いた「ホルダー付きタイプ」
があります。
ホルダー付きには、前歯に使いやすい形のものや、奥歯にも使いやすい形のものがあります。手先の操作が苦手な方にとっては、ホルダー付きのほうが使いやすい場合もあります。
また、フロスの糸にもさまざまな太さや形状があります。
歯と歯の間が狭い場合には細めのものが使いやすいことがありますが、歯間の状態によって適したものは異なります。

歯間ブラシ
一方、歯間ブラシは、細いブラシを歯と歯の間に入れて清掃する道具です。
歯間ブラシには複数のサイズがあり、歯と歯の間の広さに合ったものを選ぶことが大切です。
このように、フロスと歯間ブラシは「どちらが優れているか」というより、それぞれ得意な場所が違うと考えると分かりやすいでしょう。
3.フロスと歯間ブラシ、どっちを使うべき?
では、「結局、フロスと歯間ブラシはどっちを使えばいいの?」という疑問が出てきます。
一つの目安になるのが、歯と歯の間のすき間の大きさです。
歯と歯の間が狭く、歯間ブラシが入りにくい場合には、デンタルフロスが適していることがあります。
一方、歯ぐきが下がって歯の根元にすき間がある場合や、歯周病などによって歯間部のすき間が広くなっている場合には、歯間ブラシが使いやすいことがあります。
ただし、歯間ブラシは「入れば何でもよい」というわけではありません。
サイズが大きすぎるものを無理に入れると、歯ぐきを傷つける原因になる場合があります。
反対に、細すぎると十分に清掃できないこともあります。
そのため、歯間ブラシは自分の歯間に合ったサイズを選ぶことが大切です。
「自分はフロスと歯間ブラシのどちらが合っているのか分からない」という方は、歯科医院で確認してもらうとよいでしょう。
4.歯間の汚れをそのままにすると?歯周病や口臭との関係

歯と歯の間にプラークが残った状態が続くと、歯ぐきに炎症が起こる原因の一つになります。
歯周病は、歯と歯ぐきの境目などに付着したプラークと深く関係しています。
特に歯間部は歯ブラシだけでは清掃しにくいため、フロスや歯間ブラシを使ったケアが重要になります。
また、口臭が気になる場合にも、お口の中の清掃状態が関係していることがあります。
歯と歯の間や歯ぐきの周囲にプラークが残っていると、それが口臭の原因の一つとなる場合があります。
ただし、口臭にはさまざまな原因があります。「口臭があるから歯周病」というわけではありません。
- 「毎日歯を磨いているのに口臭が気になる」
- 「歯ぐきから出血することがある」
といった場合には、自己判断だけで対処せず、歯科医院でお口の状態を確認してもらうことも大切です。
5.セルフケアを定期検診で学ぼう
ここまで読んで、
- 「フロスを使ってみよう」
- 「歯間ブラシを試してみよう」
と思った方もいるかもしれません。
ただ、歯間ケアは道具を使えばそれで終わり、というものではありません。
大切なのは、自分のお口の状態に合った道具を選び、正しい方法で使うことです。
歯並びや歯間の広さ、歯ぐきの状態、詰め物や被せ物の有無などによって、適した清掃方法は変わります。
例えば、同じお口の中でも「前歯はフロス、奥歯は歯間ブラシ」というように、場所によって使い分けたほうがよい場合もあります。
定期検診では、むし歯や歯周病のチェックだけでなく、どこに磨き残しが多いのかを確認したり、歯ブラシやフロス、歯間ブラシの使い方を相談したりすることもできます。
- 「フロスがうまく入らない」
- 「歯間ブラシは何サイズを選べばいい?」
- 「使うと歯ぐきから血が出るけれど大丈夫?」
このようなちょっとした疑問も、歯科衛生士に相談してみてください。
自分のお口の特徴を知ることは、毎日のセルフケアを見直すきっかけになります。
6.まとめ

「歯ブラシで磨いているから大丈夫」と思うのではなく、届きにくい場所をどうケアするか?に目を向けてみることが大切です。
おさらいになりますが、歯ブラシは、毎日のセルフケアに欠かせない大切な道具ですが、毛先が届きにくい歯と歯の間などのお掃除に役立つのが、デンタルフロスや歯間ブラシです。
- 歯間が狭いところにはフロス
- すき間があるところには歯間ブラシ
という風に覚えておきましょう。
いきなり完璧なケアを目指す必要はありません。
まずは一日一回、歯間のケアを取り入れるところから始めてみるのもよいでしょう。
自分に合ったフロスや歯間ブラシの選び方、使い方が分からない場合は、定期検診の際に歯科衛生士へ相談してみてください。
毎日の「歯磨き」に、もうひとつの習慣を加えることで、より丁寧なお口のケアにつなげていきましょう。










