歯が長くなった！？歯茎が下がる歯肉退縮の原因と対策！？ -本田歯科の仙人ならぬDrサワタリに聞いてみよう！-

それは、とっても不安になるものじゃな。

それは歯ぐきが痩せて下がったことが原因なんじゃ。歯ぐきが痩せてしまい、歯の根元が見え、それで「歯が長くなった」と感じているんじゃ。

歯ぐきが痩せる（歯肉退縮）原因は色々あるのじゃが、一番の原因は皆も聞いたことがある『歯周病』なのじゃ。

歯周病は、歯と歯ぐきの間の溝（歯肉溝、歯周ポケット）から入り込んだ歯周病菌の毒素により、歯ぐきが腫れ、歯を支える周囲の骨が溶かされていく病気じゃ。

骨が溶かされると、骨を覆っている歯ぐきも痩せていき、歯周病が進行すれば、「歯が長くなった」ようにも見えるのじゃ。

時には歯科矯正治療をすると、歯並びは良くなるが、歯ぐきが少し退縮したという現象も生じることがある。

無論、矯正歯科の先生はその辺を十分に考えて治療を行うのじゃが、歯ぐきが薄く透けている部分が退縮する場合もある。

じゃが歯肉退縮の最も多い原因はやはり歯周病じゃな。

頑張るのはいいことじゃが、気合を入れる余り、力を込めて歯を磨くと、逆に歯ぐきが傷ついてしまうものなのじゃ。

力強く歯を磨く人に多いのが、食いしばり癖。この食いしばり癖も歯周病の原因にもなるのじゃ。

若いころから歯磨き時にブラシを歯面に直角にあて、毛先の硬いブラシで力いっぱい歯磨きをしてるとじゃな、「歯頚部」と呼ばれる歯のくびれの部分を中心に摩耗が生じ、歯が「しみて」くるのじゃ。

これがみなさんが聞いたことのある「知覚過敏」っていうものじゃな。

知覚過敏の治療法としては、よくプラスチックの詰め物をするのじゃ。

しかし、治療後も同じように強く磨くと、（歯とプラスチックの硬さが違うため）境目に溝（ステップ）が出来てしまい、結局そこに歯垢（プラーク）がたまってしまうのじゃ。

その結果、歯ぐきの炎症、歯周病菌の侵入などで、結局、歯ぐきが退縮してしまい、悪影響をあたえるのじゃぞ。

歯ブラシの毛先を歯と歯ぐきの間（歯肉溝、歯周ポケット）に目掛け、歯に振動を加える形で、ソフトにブラッシングをするのが宜しかろう！

人それぞれの歯並びなどで、気をつけるポイントも違ってくる。

今度、かかりつけの歯医者さんに行った時に、歯磨きのやり方を聞いてみるのじゃな。

歯ぐきの退縮は、年齢を重ねることによってもおこるのじゃ。

年をとると、筋力が衰えたり、自分の歯の数が少なくなっていく場合が多く、その分、噛む力が極端に弱くなっていくことが多いのじゃ。

「年のせい」といって、放っておいてはいかんぞ。

今度は噛む力が顎の骨に伝わりにくく、刺激が弱いため逆に骨がやせてしまうのじゃ。

また、歯周病も放っておくと歯と歯ぐきの隙間が大きく離れてしまい、そこから侵入する歯周病菌がさらに増え、その結果、歯ぐきがもっと退縮してしまうのじゃぞ。

残念じゃが、歯周病によって破壊された骨は、その状態から正しい歯磨きをしたとしてもそのままでは修復しないのじゃ。

じゃけど、落胆することはないぞ。

歯ぐきがやせた部分を手術で歯ぐきを引き延ばして、元々ところまで持ち上げる方法もある。※1

補助的に「歯科用ヒアルロン酸」などを使うと歯肉の戻りも期待できるともいわれておるのじゃ。^※2

先ほどの歯の食いしばりなどは、原因を取り除くということ自体が治療になってしまうのじゃぞ。

例えば、歯ぎしりや更年期によるイライラ、日常生活ストレスなどはその原因を取り除く、または、歯ぎしりなどの治療用マウスピースも保険診療で作れるのじゃ。

いい着眼点じゃ。

溶けた骨の周囲に新たな骨を埋めて、やせた骨を元に戻す治療を併用すれば良いのじゃ。

退縮した歯ぐき周囲自体を元に戻す、歯周組織再生療法じゃ。^※3

保険診療で出来る方法もあるので、かかりつけの歯医者さんとよく相談するのじゃぞ。

そもそも、歯ぐきが痩せる一番の原因である「歯周病」が進行させなければいいのじゃ。

歯周病菌が歯と歯ぐきの間（歯肉溝、歯周ポケット）に入らなければいいのじゃな。そうすれば、歯周病進行も抑えられるし、歯ぐきも痩せてこないんじゃ。

結論、歯に痛みなどがなくとも、定期的に歯科検診を受診し、歯石除去や歯のお掃除、研磨などをしてもらうのじゃ。

口の中もスッキリするし、ストレスも軽減できそうじゃぞ。もちろん日々の歯磨きの方法も教えてもらえるぞ。

さあ、まだ予約してないのなら歯科検診を申し込むのじゃ！