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毎日磨いているのに気になる口臭。それ、歯周病かもしれません。

コラム 本田歯科のこと

 

「おじいちゃん、お口臭い―。」というテレビCM、昔ありましたよね。

 

子どもは正直ですから、かわいい孫から言われてしまうとこりゃもうショックですよね。

普段自分は気付いていなくても、他人には不快な思いをさせてしまう「口臭」について、歯科の領域からお話ししましょう。

 

口臭の原因は?

口臭の原因には次のようなことが挙げられます。

 

1.生理的口臭

これは誰にでも起こりうる口臭です。

  • 起床時
  • 空腹時
  • 緊張時(ストレス)など

唾液の分泌量が減っているときに唾液による口の中の自浄作用が働かず、口臭の原因となる細菌が増殖してしまうのです。

 

また、女性の場合は生理時や妊娠時などのホルモンバランスの不調によっても起こるといわれています。

 

 

 

  1. 2.飲食物、嗜好品による口臭

ニンニク料理やタバコ、お酒の摂取時に起こる口臭です。

 

上記2点が一般的な口臭と捉えてもらっていいでしょう。

とはいえ、周囲の人への気配りをするに越したことはないでしょう。

 

 

  1. 3.病的口臭

全身的な疾患(がん、耳鼻咽喉系疾患、肝硬変や糖尿病等)で発生する場合も見られますが、多くは口の中の病気(歯周病)によるものです。

 

毎日磨いているのに気になる口臭。それ、歯周病かもしれません。

歯周病は、主に口の中の清掃状態の不良により口の中に残された歯垢や食べ物等の細菌により引き起こされます

 

初期にはこれといった自覚症状がなく、進行すると歯周ポケット(歯と歯ぐきの隙間)が深くなり、その部分が細菌の棲み処になってしまい、口臭の原因となってしまいます。

 

 

歯周病の場合はこんな臭い

 

歯周病の原因となる嫌気性菌は、代謝の際に硫化水素とメチルメルカプタンという成分を発生させます。

 

これが口臭の原因となります。

一般的に硫化水素は卵の腐った臭い、メチルメルカプタンは腐った玉ねぎの臭いと形容されることが多いですが、一言でいえば「腐敗臭」ということです。

 

 

歯周病は自覚症状がない場合も多い?

前述のように、ほとんどの場合、歯周病の初期には自覚症状がありませんので、次の項目に該当するかどうかチェックをしてみてください。

 

  • 歯肉の色が赤い、もしくはどす黒い
  • 歯と歯のあいだの歯肉が丸く、腫れぼったい
  • 歯肉が、疲労時やストレスがかかっているときに腫れやすい
  • 歯肉が退縮して、歯と歯のあいだにすき間ができてきた
  • 歯が長く伸びてきた
  • 歯の表面を舌でさわるとザラザラする
  • 歯みがき時などに歯肉から出血しやすい
  • 起床時に口が苦く、ネバネバして気持ち悪い
  • 歯肉を押すと白い膿がにじみ出てくる
  • 歯の動揺がある
  • 歯と歯のあいだに食べ物が挟まりやすい
  • 上顎の前歯が出てきた
  • 人から口臭があると言われる

 

出典:野口俊英ほか「歯周病のチェックポイントと予防法」、
河合幹ほか編『口腔ケアのABC QOLのためのポイント110』、医歯薬出版、1999, p168

 

以上の項目に1つでも当てはまったら、歯周病の可能性があります。

早めに歯科医院に行きましょう。

 

 

歯磨きだけではダメ?歯科医院へ行きましょう

結論から述べると、

自身で行う歯磨きだけでは不十分なので、定期的に歯科医院へ通院されることをお勧めします。

 

歯科医師による診察や治療、歯科衛生士によるプロフェッショナルケアや各個人に適したブラッシング指導等、専門家の意見や指示を聞いてください

 

口臭の原因は歯周病だけではありません。

 

むし歯や不適合な冠(被せ物)、義歯の清掃状態なども原因となります。

それらのチェックも兼ねて、何歳になっても何でもおいしく食べられる歯を維持するために、人間ドックならぬ、歯科ドックとして歯科医院を活用してください。

 

自宅でできる口臭対策

  1. 1.口の中を清潔に保つ

まず、第一には、口の中を清潔に保つことが挙げられますが、自己流のブラッシングではリスクも含まれます。

劣化した歯ブラシを使用していたり、過度の力がかかっていたりなど、かえって歯周組織に負担をかけていることもあります。

 

 

  1. 2.舌の清掃

毎日の歯ブラシの際に、舌の清掃も行いましょう。

舌苔(ぜったい…舌につく白い苔のようなもの)も口臭の原因の一つとなります。

ただし、キレイにしようと擦りすぎは禁物です。

舌の組織を破壊してしまうリスクがありますので、専用のブラシなどを使用して適度な力で清掃することが望ましいです。

 

 

  1. 3.口の中の乾燥を防ぐ

唾液の分泌が少ないと、口臭が現れます。

食べ物はよく噛んで食べ唾液の分泌を促すこと、口呼吸となってしまっている方は、意識して鼻呼吸をしてください。

 

 

  1. 4.禁煙する

タバコも口臭の一因です。

禁煙をすることは口臭対策だけではなく、その他もメリットがあることは周知の事実です。

簡単ではありませんが、禁煙外来なども活用しながら禁煙を目指すのも一つの手です。

 

まとめ

口臭は大なり小なり誰にでもあるものですが、他人はなかなか指摘してくれません。

現状、マスクが必需品となっているため、中には口臭のケアを怠っている方もいるのでは?

 

自分で気づきにくいこともあるので、気になる方は歯科医院へ行きましょう。

いざというときに慌てないため、今から準備をしておくことをおすすめします。

 

 

執筆者: 歯科医師 足立

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