歯の治療、なんで何回も通わないといけない? 1回で終わらない理由
コラム 本田歯科の取り組み
2020.11.30
「歯医者って、何回も通院しなくちゃいけない… 治療費もかかるし…なるべく一回でまとめて治療してくれないかしら…」
と思っている方もいらっしゃるかと思います。
今回は歯医者さんの治療期間や回数の疑問についてお話していきます。
目次
1回で終わらない理由1 段階的な治療
歯科は医科と違って、
投薬だけで直せる治療がほとんどありません。
歯を削ったり、根の治療をしたり、詰めたり、歯型を採ったり、被せたり、外科的な処置をしたりと手間のかかる処置が非常に多いのです。
そのため、
それぞれの治療は段階をふまないと次に進めません。
治療や処置の箇所が多ければ、それだけ回数や時間を要します。
1回で終わらない理由2 虫歯の進行状況
例えば「虫歯」と一口に言っても、
虫歯の進行の度合いにより、治療の内容も変わってきます。
虫歯が初期の段階ならば、1回で処置が終わる場合もあります。
虫歯が深く、神経(歯髄)まで達してしまうと、修復物を行う前に神経(歯髄)の処置や神経が入っていた管(根管)の消毒を丁寧に行う必要があります。
この処置をきちんとやらないと、菌が残り、再び外部から感染し再治療や抜歯が必要になるリスクが高くなります。
そのため、
複数回の通院が必要となるのです。
1回で終わらない理由3 1本ずつ治療
では複数の虫歯を一度に治療することができるのではないか?
と思ってしまいますが、これも簡単な話ではありません。
一本の虫歯を治療するためにも段階を踏んだ処置—歯肉や神経組織の状況を見ながら診療しないといけません。
虫歯の部分だけでなく、口腔内全体の噛み合わせを考えながら治療していきますので、上下で噛み合う歯や多くの歯を一度に削ると噛み合わせへの影響も大きくなってしまいます。
そのため、虫歯が複数ある場合も、
噛み合わせを見ながら一本ずつ治療していくことが望ましいのです。
1回で終わらない理由4 保険治療の制約
何度も通う理由は、保険診療のルールも関係しています。
保険診療には細かいルールがあり、それに忠実に治療を行うと、1回の通院でできる治療には限りがあるのです。
これは、たくさんの方に平等に医療を提供するためには仕方ないことなのです。
決して歯医者が儲けようと、通院回数を増やしているわけではありません。
歯石取りだけなのに1回で終わらなくて、
「また来週も来てください」と言われる事もよくあります。
これも保険診療のルールなのです。
歯石を取るにも保険上のルールがあります。
歯ぐきから上の見える部分の歯石を取って、どのように変化したかを検査をする。そして問題があれば歯ぐきの中の歯石を取っていくなど、保険上のルールで、治療の進め方も決められています。
忙しくて何回も通院できないときは?
治療途中だけど、忙しくて通院できない…
という方もいらっしゃるかと思います。
治療途中の歯はとても不安定で、放置することによって、治療前よりも状態が悪くなってしまう場合もあります。
(もし既に中断している場合は、できるだけ早めに歯科へ行かれることをオススメいたします。)
歯科の病気の特性として、自然に治るということがありません。
どうしても忙しくて通院できない場合は、当院歯科医師・歯科衛生士にご相談ください。
まとめ
治療の回数や費用がかかる…
そうなる前に、治療の必要がない健康なお口を目指しましょう!
お口の健康を保つためには定期的に歯科検診を受けることが大切です。
治療期間が長くなっているということはそれだけ処置が必要な状態になっているという事です。
もし定期検診に通っていたら防げた可能性もあります。
定期検診は3ヶ月に1回、1時間もかかりません。(状況により異なります)
この時間を捻出すれば、お口のトラブルを起こす確率はぐんと減ります。
定期検診に通っているからといって虫歯にならないわけではありませんが、なる確率は低くなり、もし虫歯になったとしても治療回数が少なくて済む(治療時間が短い)というわけです。
定期検診に通っている人はお口以外の病気にもかかりにくくなり、総医療費が抑えられるというデータもあります。
定期検診に通い、お口の健康を保つことが時間とお金を節約できる一番の方法という事になります。
執筆者: 歯科衛生士 西林
本田歯科クリニック 京都本院 訪問
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