神経を抜いた歯は枯れ木と同じ!そうなる前に最新治療『ドックスベストセメント』
コラム 本田歯科の取り組み
2019.9.10
目次
従来の虫歯治療は
患部を削り、穴が空いた部分に詰めものを詰める。
重度の場合は、神経を取ってしまい被せ物を被せる。
これが一般的な治療です。
削る・抜くの処置を施した歯は栄養がいかず、もろくなり、割れやすくなります。
そうして、治療を繰り返すうちに歯はダメになります。
神経を抜いてしまうリスク
神経まで取り切ってしまうと、歯の血流が止まり、歯は乾燥して、折れやすくなります。
なので、折れにくくするために被せ物を被せる処置が多くなります。
つまり歯の寿命が短くなるのです。
ドックスベストセメント療法
ドックスベストセメントとは、アメリカの歯科医ティムフレイザー博士が、虫歯にこのセメントを塗布すると再石灰化することを発見し、作られたセメント薬です。
成分は歯や骨とほとんど同じで、成分体の銅が抗殺菌作用として働き、あとは自然治癒力を活かして治していきます。
これに反して、従来通りの治療は、虫歯を健康的な歯質を含め、根こそぎ削り取り、中の神経にまで達している場合は神経の根元まで取り切り、そこにフタをしたり、かぶせたりするのです。
ドックスベストセメント療法は、虫歯の穴を綺麗にし上部の側面の虫歯に侵された部分のみを取りのぞき、深部は削りません。
あとはドックスベストセメントの粉末とコーパライト溶剤を混ぜ合わしたペーストを塗り付け、無菌状態にし、さらにドックスベストセメントを埋めて虫歯の度合に応じてフタをします。
ほとんど削らず、しかも短時間で終わります。
ドックスベストセメント療法のメリット
①治療が短時間で終わる
②成功率が高い(90%ほど)
③痛みが少ない
④歯を殆ど削らなくてすむ
⑤トータルの治療回数は少なくて済む場合が多い
ドックスベストセメント療法のデメリット
①神経まで炎症が進んでいる場合は、すぐに痛みが取れず成功確率が下がる
②保険適用外のため費用がかかる
③治療後、食生活を改め、全身の健康を正さないと完治に時間がかかる
「削る・抜く」の歯科治療に疑問
私が削る・抜くの歯科治療に疑問を感じ、失望したのは、本田歯科を開業した頃です。
多くの患者さんの歯を治そうと情熱を持って取り組んでいましたが、
開業して数年経った頃から以前治療した虫歯が
「再発した」「治療した歯が折れた」と
再来院する患者さんが増えたのです。
しっかり虫歯を削り取り、深い虫歯は神経を取り切り適合のいい詰め物や被せ物を入れたはずの歯がです。
「歯を削れば削るほど悪化しているのでは?」
歯科医として自信を失いかけ、焦りを感じた私は、毎日曜日、勉強会に参加し必死に答えを求めて探しました。
しかし、どんなやり方も大差はなく歯の状態が良くなることはありませんでした。
それは、局所にこだわって、全身的な考えがないことでした。
そこで、できるだけ削らず、神経を抜くリスクの少ないドックスベストセメントを利用した自然治癒力で治す療法と理念を学びに東京の小峰一雄氏の小峰塾に通い続け、京都で初めて認定医になったのです。
まとめ
人は病気にならないと健康についてあまり気にしません。
しかし、予防治療について勉強していくうちに、歯の健康と体の健康がいかに密接に関わっているのかがわかってきました。
「口の中の歯と体は繋がっているのです!」
虫歯や歯周病になり、歯医者にいくことで体調の不具合あるいは、病気の一歩手前であることに気づいて欲しいのです。
最後まで自分の歯で食べて、健康に過ごしたいのなら、治療を受けるだけではなく、予防歯科から全身のことを考えてくれる療法を選ぶべきです。
ドックスベストセメント療法はすぐに虫歯が完治するのではなく、長い時間がかかります。
体の状態を健康に維持するためにも、食生活の見直しと定期的に歯科医院に来院し、ケアを受けていただくことが大事です。
免疫力を上げ、糖尿病や高血圧やガンなどの病気にならないよう、また悪化させず治っていくように予防医療の実現に尽力してまいります。