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訪問歯科の口腔ケア。高齢者のむし歯、歯周病、誤嚥性肺炎の予防

コラム 本田歯科のこと

 

訪問歯科の口腔ケアとは?

 

皆さん、「口腔ケア」と聞いた時に何が思い浮かびますか? 

 

お口の中の清潔を保つための歯磨きを思い浮かべることが多いかと思います。 

 

口腔ケアとは、大きく2つの目的があります。 

 

歯や舌、入れ歯などの汚れを取り除く

口腔清掃(器質的口腔ケア)

お口の機能を維持させる

口腔機能維持・回復(機能的口腔ケア)」

のことを言います。 

 

食べ物を噛む飲み込むには、お口の周りの筋肉がしっかり動く必要があります。 

しかし、高齢になるとお口の周りの筋肉が衰え、食事に支障をきたすようになります。 訓練することによってお口周りの筋肉を鍛えたり、マッサージによって唾液の分泌を促進したりして、お口の機能を維持することで食べる・飲み込むといったことが行いやすくなります。 

 

“口腔清掃”と合わせて“口腔機能維持・回復”の両方を行うことが大切なのです。

 

 

どんな方が対象となるの?歯がない場合も必要? 

訪問歯科診療は、年齢や介護認定の有無などは関係なく

1人で通院することが難しい方」が対象です。

 

診療所が混み合うから」「通院が面倒」という理由では利用できません。 

また、歯がない人も口腔内を清潔にすることは重要です。 

 

入れ歯をお使いの方であれば入れ歯と歯茎の間に、また入れ歯を使用していなくても、歯茎と頬の間などに食べ物が挟まったままになってしまうことがあります。 

その状態のままにしておくと、食べ物が汚れとなり細菌が繁殖し、 その細菌を含んだ汚れを飲み込むことで誤嚥性肺炎の原因になることがあります。

そのような状況に陥らない為にも、歯がない場合でも口腔ケアはとても重要なのです。 

 

口腔ケアで得られるメリットって? 

口腔ケアを行うことで得られるメリットには以下のようにたくさんあります。 

 

むし歯や歯周病予防 

口腔ケアにより、口の中の細菌を減らすことで、むし歯や歯周病など細菌が原因の病気を予防することにつながります。 

 

口腔内の唾液分泌と自浄作用の促進  

口腔内の唾液量は、加齢とともに減少していきます。

しかし、口腔ケアをしっかり行うことで、唾液の分泌と自浄作用を促進することが可能です。 

 

味覚の改善と食欲の促進 

口腔ケアにより、舌の汚れが取り除かれることで、味覚の改善や唾液の分泌、食欲の促進につながります。 

 

口臭の予防と改善 

口腔ケアをしっかり行い、口臭の原因となる汚れを取り除くことで、口臭予防につながります。 

 

マッサージや体操について 

ここでは唾液腺マッサージとパタカラ体操のやり方を紹介していきます。 

 

唾液腺マッサージ 

まずは唾液腺マッサージ 

顔やお口には「唾液腺」と呼ばれる唾液の出やすいポイントがあります。 

唾液の分泌を促すために、唾液腺を刺激することを唾液腺マッサージと言います。 

 

唾液腺マッサージを行うことで唾液の分泌量の改善(唾液が出やすくなる)やお口周りの筋肉の緊張のほぐれ、お口が開きやすくなるなど「食べること」「飲み込むこと」「会話がしやすくなる」など生活に不可欠な機能の回復への効果が期待できます。 

 

パタカラ体操 

続いては「パタカラ体操」についてです。 

パタカラ体操は発声しながらお口を動かす体操のことで、「パ」「タ」「カ」「ラ」と発声するので「パタカラ体操」と言われています。 

 

加齢によるお口周りの筋力低下や舌の動きが緩慢になること、また疾患などの影響により嚥下飲み込む力)機能が低下し、食べたものを誤嚥してしまうことがあります。  

パタカラ体操を行うことで嚥下機能に必要なお口や舌の動きに必要な筋力の低下を抑制し、結果的に誤嚥の防止効果が期待できます。 

 

近年では高齢者施設でのレクリエーション、病院での専門的なリハビリにも取り入れられていることも多く、もちろん訪問歯科診療の口腔ケアでも必要に応じて実施しています。 

 

誤嚥性肺炎ってなに? 

食べ物や唾液などが、食道ではなく気管に入り誤嚥してしまい、その結果生じる肺炎を誤嚥性肺炎といいます。

 

食べ物や唾液などは本来、食道を通って胃に送られますが、誤って気管に入ったとき、私たちは反射的にむせてそれを出そうとします。 

むせること自体を何かの病気と思われる方がいらっしゃいますが、実は「むせ」自体は私たちに備わった誤嚥を防ぐための体の防御反応のひとつなのです。

ただ、加齢などによってこの機能が衰えてしまうと、うまく出すことができずに、口腔内の細菌が肺に入って炎症を起こし肺炎になることもあります。 

口腔内がきれいな状態の唾液の場合では肺炎を起こしませんが、口腔内が不衛生な状態の唾液の中にはたくさんの細菌がいるので、肺炎を起こしてしまうのです。 

 

先にも述べたようにマッサージや訓練も非常に有効ですが、前提として歯磨きや口腔ケアをしっかり行い、お口の中を清潔な状態にしておくことがとても大切なのです。 

 

嚥下リハビリについて 

京都市伏見区のしっかり相談できる歯医者、訪問診療|本田歯科クリニック

食べたものを飲み込んで口から胃へ送り込むことが困難になってしまう状態のことを「嚥下障害」と言います。

 

繰り返しになりますが嚥下飲み込み)に関わる筋力や機能は病気や疾患だけでなく、加齢によっても影響が出てきます。 年齢を重ねた結果、起こり得る障害となると、当然誰でも嚥下障害となってしまう可能性があると言えます。 

高齢化が進み、身近になった嚥下障害ですが、現在では嚥下に特化したリハビリが確立されており、嚥下機能の回復や低下予防に取り組んでいる機関や専門職の方がいらっしゃいます。 

また機能回復や予防などの訓練だけでなく、日々の食事が安全に摂れるように、現在のお食事の状態を検査評価)してくれる医療機関も存在します。 嚥下(飲み込み)の機能検査・訓練と聞くと、お医者さんのイメージがあると思いますが、最近では訪問歯科診療を含めて一部の歯科医院でも行っています 

 

 

まとめ

 

今回は口腔ケアの重要性や嚥下機能についてお話させていただきました。 

 

「歯医者は痛みや不具合が出た時に利用する」といった方がほとんどで「歯」や「口」のことは全身の疾患内臓疾患)などと比べると、定期的に検査や検診を利用されている方も少なく、まだまだ後回しにされがちです。 

 

ただ人は日々の生活を営む上で栄養(食べもの)摂取しなければ活動はできません。

そして、全ての食べものや飲みものが一番初めに通過する体の器官が「お口」です。

 

そのお口や嚥下機能に疾患などの不具合があったりお口が不衛生な状態のままになっていれば、全身に影響が出てしまうのは当然ですよね。 

 

今、痛みや食事の不具合がなくても、もっと歯医者さんを利用してください。 

きっと10年後、20年後、もっと先の皆さんのお体の健康に良い影響を与えることができると思います。 

 

最後まで読んでいただいてありがとうございました。 

読んでいただいた一人でも多くの方が、いつまでも「食事」や「会話」を楽しむことができて、彩りのある日々をお過ごしされることに繋がれば、とてもうれしいです! 

 

執筆者: 歯科衛生士 遊佐

本田歯科訪問クリニック
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