歯石取り?クリーニング?何をされているかわからない歯周病治療を徹底解説
コラム
2023.12.20
「むし歯じゃないけど歯医者に通ったことがある」
「何度も通っているけどいつもガリガリしているだけ」
という経験をしたことがある方は多いのではないでしょうか?
きっと歯周病の治療を受けられていたのだと思います。
小さくて何をしているのか分かりにくいお口の中。
今日は歯周病の治療についてご紹介します。
目次
お口の中で何が行われているのか?
お口のクリーニングと思って、
なんとなく歯医者に通っている方が多いかもしれません。
クリーニング = 歯周病の治療や定期管理
歯医者さんの中には、
来院者の方がイメージしやすいようにクリーニングと呼んでいることがあります。
基本的に歯医者でのクリーニングは、
セルフケアができているかの確認や、ご自身ではケアが難しく、細菌が溜まってしまうところを中心に診ていきます。
治療の流れ
患者さんのお口の状況に合わせて変わることもありますが、基本はこのような流れで行います。
①気になるところがないか、以前から変わりはないかの問診
②口腔内の診査(汚れの付着、補綴の確認)
③歯周病の検査(歯周検査)、説明、歯磨きトレーニング
④歯石除去(スケーリング)、必要があれば歯根研磨(ルートプレーニング)
⑤歯面研磨
⑥フッ素塗布
※状況に応じて1回で終了の場合や、複数回に分けて治療を行う場合があります。
歯磨きトレーニングでは何をするの?
●磨き残しがあるところ
●歯ぐきが腫れていたり出血があるところ
●詰め物や被せ物の形によって汚れが残りやすいところ
など、患者さん自身でお手入れしにくいところを鏡や写真を見て確認していただきます。
その後、
どのようにお手入れしていただいたら歯周病から歯を守ることができるか、一緒に考えて患者さんに合わせたお手入れ方法をご提案します。
具体的には、
- 磨き方
- フロス
- 歯間ブラシ
- タフトブラシ
など、
補助用具の使い方をマスターしていただくためのトレーニングを行います。
「歯石除去って?」-見えている歯石の除去-
歯石とは、
毎日の磨き残しや細菌の塊(プラーク)が唾液の成分によって石灰化し固まったものです。
特に下の前歯、上の奥歯に付着しやすいです。
歯の表面の歯石は、超音波スケーラーと呼ばれる機械や手用器具で除去していきます。
「歯根研磨って?」-歯ぐきの中の歯石除去-
普段のブラッシングでは届かない、
歯と歯ぐきのすき間(歯周ポケット)の中の細菌や、固まってしまった歯ぐきの中にある歯石(縁下歯石)は、歯を支えてくれている骨(歯槽骨)を溶かしてしまう原因になるため、除去が必要です。
目では見えないところになるので、歯周ポケットの深さや歯槽骨の状態をレントゲンなどで確認しながら専用の器具で除去していきます。
必要に応じて再検査
セルフケアの仕方をお伝えし、溜まってしまっていた歯石を取ったあとに、必要に応じて再度歯周検査を行います。
●出血が減っているか
●歯周ポケットが3ミリ以内であるか
●歯の動揺が治っているか
など、改善があるかどうかを確認します。
これが今後、良いお口の状態を保つためのクリーニング期間の目安にもなります。
歯医者に通うだけでは治らない
歯医者でのプロケアもとても大切です。
ですが、それだけでは歯周病は良くなりません。
歯周病は、
治療して改善はできますが、完治というのは難しいので継続的なケアがとても大事になってきます。
そのため数ヶ月に一度の歯医者でのケアと、毎日のセルフケアの両方が必ず必要です。
まとめ
歯医者に怖いイメージを持っていたり、
“歯石取りは痛いもの”と、足が遠のいている方も多いのではないでしょうか?
「悪くなる前に来ていたらな。。」
「若い頃からちゃんとお口のケアをしていれば。。」
というお声を患者さんから聞くことがあります。
お口のケアは全身の健康にも繋がりますので、ぜひ一度いらしてくださいね。
執筆者: 歯科衛生士 増山
本田歯科クリニック 京都本院 外来
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