できるだけ削らない、神経を取らない、歯を残す『水と光(レーザー)の歯科臨床』
コラム 本田歯科のこと
2021.12.24
目次
「上流の医療」としての歯科医療
当院では現在歯科医療は単にむし歯や歯周病を治療するのみならず、口腔を通じて全身の健康へ寄与する、いわば「上流の医療」としての立場が重要と考えております。
リウマチ、糖尿病、心臓病、高血圧、脳血管疾患など、病巣感染疾患の概念をはじめ、口腔の疾患が全身に与える影響は計り知れません。
歯科医師は口腔の健康を通じて、全身の健康を考えていかなければならない時代となっています。
歯科医師にしか治療できないむし歯や歯周病は、生活習慣病でもありますので、これらの疾患を予防し発症させないことが重要です。
まさにこれこそが「上流の医療」ですので、
当院では外来診療、訪問診療ともに治療の終了という概念はなく、患者様の命がある限り予防と管理を継続していくことが重要
と考えています。
先端の歯科医療。プラズマレーザーとは?
口腔内の感染源を安全に除去する方法として用いるのが先端の歯科医療ともいわれるプラズマレーザーシステムです。
このシステムは、
- パルス幅可変型ハイピークNd-YAGレーザー「STREAK-1 ®︎」というレーザー機
- たんぱく分解型洗浄水「POIC®︎ウォーター」
- 歯科ユニットの残留塩素濃度補正装置による「エコシステム」
により成り立っています。
本システムは、口腔内を連続的にPOIC®︎ウォーターで洗浄しながらレーザー光による作用で感染病巣を取り除き、同時に止血、蒸散、凝固、切開を行うことができます。
また同時に組織を冷却することもでき、組織に与える熱ダメージも極めて少なくなるといわれています。
浸潤麻酔もほとんどのケースで不要で、術後疼痛もほとんどなく、何より歯を削り取る必要がないのが特徴です。
また、治療機転についても治癒が極めて速く、予後が良好です。
治療中の水質
歯科治療はほとんどが外科的処置であり、治療中に多くの治療水を使用します。
この治療水が細菌に汚染されている可能性のある水なのか、極めて清潔で洗浄効果のある水なのかでは、治療効果と予後は大きく違ってきます。
ご存知の通り、医科での外科処置などでは生理食塩水を使用することが一般的で、ただの水道水ではないことは自明の理です。
また、本システムにおいて、有効残留塩素濃度を補正することで、効果的な連続洗浄を可能としており、
手術時と変わりない程度の清潔な状態にすることができ、患者様相互や私たち医療者の感染の可能性もほとんど無くしております。
必要最低限のやさしい治療が可能にするレーザーシステム
システムの中核となるNd-YAGレーザー「STREAK-1 ®︎」はパルス幅を50ms、100ms、200ms、400msと4つの幅に可変することができ、発振数、出力をコントロールすることができます。
このようなデリケートな操作により、必要最低限のやさしい治療が可能となるのです。
光(レーザー)によりほとんど歯を削る必要がなく、むし歯菌だけを光で蒸散(燃やしとる)イメージです。
さらに、Nd-YAGレーザーは歯質強化処置もできます。
これは近代医学において発明された素晴らしい効果で、医学的に証明されており、むし歯の再発を抑えることができるのです。
レーザーシステムとPOIC®︎ウォーターの必要性
なおかつ、POIC®︎ウォーターを連続噴霧、注水することにより組織の冷却と洗浄を同時に行うことでレーザーによる組織の熱傷(やけど)を最小限に抑えることができます。
できるだけ削らない、神経を取らない、歯を残すこと。
これを実現するには、レーザーシステムとPOIC®︎ウォーター(洗浄水)が必要です。
ぜひこのシステムを理解していただき「上流の医療」を受けていただきたく思います。
多くの患者様に健康で素晴らしい人生を送っていただくための一助になれば幸いです。
※患者様のご体調ご病気により、本システムが使用できない場合があります。詳細は担当医にご相談下さい。