お口の中だけじゃない!?全身を蝕む歯周病の怖さ
コラム 本田歯科の取り組み
2020.2.9
目次
歯周病はお口だけの病気じゃないんです
文字通り、歯の周りの病気と書く歯周病。
イメージでは、お口だけの病気だと思われがちですが、
全身の病気とも深く関係しています。
テレビや雑誌でも、歯周病と全身疾患との関わりが取り上げられることが増えてきて、
「歯周病が心臓病の原因にもなるんだって〜」
と患者さんからお話しくださることも増えてきました。
血管が詰まる!?心筋梗塞の原因リスク
なぜ歯周病が全身の病気に関わるのかを簡単にご説明すると
1.歯周病になると、歯周病の原因菌が活発に働く
2.刺激により、血管を硬くする物質がでる
3.その血管内にアテロノーム(おかゆ状の脂肪性沈着物)ができる
4.血液の通り道は細くなる
5.プラークが剥がれるとその場で血管が詰まったり血管の細いところで詰まります。
お口の中で起こっている炎症(血が出たり、腫れたり)が血管を通して
心筋梗塞や、動脈硬化の原因ともなりうるのです。
インスリンの働きが弱まる!?糖尿病が悪化するリスク
ではなぜ、
歯茎の炎症である歯周病が糖尿病にまで関わってくるのでしょうか?
それは、
出血や膿を出しているような歯周ポケットからは、炎症に関連する物質が血管を回り体中に放出されているからです。
中等度以上の歯周ポケットが口の中全体にある場合、
そのポケット表面積の合計は掌(てのひら)と同じ程度と考えられています。
歯周ポケットの中は外からはなかなか見えませんが、
手のひらサイズの出血や膿が治療なしで放置されている
と考えると、恐ろしいと思いませんか?
さらに、ポケットから出て血流にのった炎症関連の物質は、
体のなかで血糖値を下げるインスリンの働きを効きにくくします。
そのため、糖尿病が発症・進行しやすくなってしまうのです。
妊娠中も要注意!?早産のリスク
歯周病にかかってる妊婦さんは、
早産(37週未満の出産)や低体重児(2500g未満)の出産リスクが高くなる
と言われています。
さらに、低体重児の出産リスクが7倍も高い
こともわかっています。
歯周病が、低体重児のリスクを高くする理由は、
炎症が怒ることで出る物質が子宮の収縮を誘発するのではないかと言われています。
まだまだ未解明なことは多いのですが、
清潔なお口でいることで、
生まれてくる赤ちゃんのために、心配なことを予防することができます!
食べ物が肺や気管に!?誤嚥性肺炎のリスク
誤嚥性肺炎とは、
食べ物などと一緒にお口の中の細菌を飲み込み、その際むせたりすると細菌が気管から肺の中へ入ってしまう事で発症する肺炎です。
抵抗力の衰えた高齢の方は、免疫力が衰えている為、特に発症しやすいといわれています。
お口の中を清潔にすることで、誤嚥性肺炎も予防することができます。
アルツハイマーにも関係していた歯周病
2013年ごろから、アルツハイマーと歯周病の関係性について研究発表がありました。
少しずつ研究が進められ、
2019年1月にはでは海外の研究でアルツハイマーの患者の脳から、
歯周病の原因細菌であるポルフィロモナス・ジンジバリス菌が発見されたとニュースになっています。
一見関係なさそうに思えることが、
体の中で影響し合うことを知っててください。
しっかり治療、予防しましょう!
こうした病気は、歯周病の治療(お口の中の細菌を減らす)をすることで、
改善や防ぐことができます。
歯周病は一度かかると、完全に治ることがない病気です。
治療が終わった後も、進行の抑制・予防をする為には定期的に細菌を減らすお掃除が必要です。
まずは、自分が歯周病にかかっていないかを調べることをお勧めいたします。
まとめ
今回6つの病気についてお話をしました。
歯周病が全身の健康と深く関わっているということ
をお分かりいただけたのではないでしょうか。
歯周病はお口の中の病気とあなどらずに、健康を守ることと意識をされてください。
最後にもう一度!
歯周病は歯と歯ぐきの境目に住み着いた細菌が原因で起こります。
その原因を取り除くための、磨き方を身につけ、定期的に歯科医院で検査とクリーニングを受けることで予防することができます。
何かあってから歯科医院ではなく、定期検診にいらしてください
元気で健康的な生活を送れるようにしましょう!